「青森県 八甲田から西へ  2022.11
    
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 紅葉のハイシーズンには、駐車場の容量超過で超高額な駐車料金となる蔦沼も、それ以外の時期には静けさを取り戻します。八甲田周辺は自宅からやや遠いこともあり、ゆっくり見たことのない所や、行こうと思っていながらまだのところが多くありますので、ぐるっと回ってみることにしました。
 蔦温泉を起点に、蔦七沼を巡る遊歩道は以前に夏のおわり頃に歩いてみたことがあります。今回は紅葉もほぼ落葉してお客さんの混雑も少なくなった時期、しかも夕方に訪れました。
 林間の歩道を一番大きな蔦沼まで往復します。普段使いのザックには熊鈴を年中付けていて、不要な時には消音モードにします。熊が出る時期の野山外出ではこの他にフルサイズの熊撃退スプレーもザックのサイドポケットに入れて携行します。
 訪れる人もまばらで、紅葉は見られないのですが、水鏡に移る山並みも望めます。
 蔦温泉は本来の温泉としての歴史の他に吉田拓郎の「旅の宿」でも有名ですが、外来入浴の時間制限もあり、今回も入らずじまいで次回に期待することとします。
 傾く日差しが雑木林を横から照らして長い影が伸びる中を次の谷地温泉に向かいます。公式サイトはこちら
 こちらでお風呂をいただきます。木造の館内の通路を通って湯小屋に入りますが、ぬるめの二段の浴槽で長時間浸かるのがこちらの湯治方法のようです。この先の日程もあるので、推奨の入浴方法まではとどかず、近くの谷地展望台(故障中)から眺めて出発します。
 猫を飼っているみたいで、泊った車の下が温かいので、別の車が来ると移動して回っているようです。
 次のポイントは グダリ沼です。 
 入り口は上の写真ですが、地形図上ではこちらになります。案内道標がしっかりしておらず、牧草らしき草原をしばらく行くと、冬季のためか表示板が取り外された標柱が立っていたりするあたりから低所に向かうと細長い水面があります。 沼という名称ですが、よく水面を眺めるとゆっくりと流れています。夏には良さそうですが、なにせ落葉の後の夕暮れ時ですので、また次に来た時の参考程度にします。
 入り口には除雪ステーションらしい建物があります。写真では明るく撮れていますが、もうとっぷりと日が暮れてしまいましたので、今宵の宿を探します。
 当初予定では、八甲田温泉の向かいにある田代岱湿原の駐車場を予定していたのですが、温泉は閉館となっていて、あたりは人家もなく真っ暗です。駐車場のトイレも冬季閉鎖で利用できなくなっていました。仕方なく車中泊マップを参考に次の候補地に向かいます。
 到着時には暗くなっていましたので翌朝の画像ですが、合子沢記念公園は青森市街を見下ろせる森林公園のようなところで、駐車場からは青森港に出入りするフェリーも望めます。もちろん立派なトイレもあります。おまけにたまに通過車両はあるものの駐車場に入ってくる車もありません。
 傾斜のあるイベント広場を散策します。上部には野鳥観察舎のような立派な建物があり、水鳥の池もありますが、あまり利用されていないように見えます。移動別荘に戻って朝食を摂った後、青森市街へ下りてゆきます。
 青森市八甲田山雪中行軍遭難資料館です。新田次郎の作品は、あまり本を読まない私ですが、幾つか読んだことがあります。映画化もされましたが、史実をなるべく伝えるための資料館もいつか見学したいと思っていました。
 時系列に沿って、また立体地図に配置されている説明や資料に見入ります。明治時代であったにしても、綿の衣類で冬山に行くなど装備面での不備もありそうです。また捜索にアイヌの方や猟犬やバーナード犬の協力もあったことを知りました。
 館の入り口ホールには後藤伍長の大きな像があり、わらじを履いていたのかと、驚きましたが、生還後はふるさと宮城で結婚して村会議員を務めるなど活躍したことも驚きでした。
 反面、私がこれまでに見た資料では、弘前隊が麓の集落で雇った案内人に過酷な命令をして凍傷を負わせたことなどの記載は見つけられませんでした。
 また弘前隊は全員生還したものの、その後戦地に赴いてほとんど戦死したという資料を見たこともあり、戦争の非情さがここにもあらわれています。
 

 青森市から西に向かい、道の駅なみおかで農産物を少し買います。背後には丘陵地に子供が遊べそうな所があって、ただの駐車場だけがある道の駅より魅力があります。

 昼食は弘前市に向かいます。7号線を進むと岩木山がだんだん大きく見えてきます。

 
  

 まだ食べたことのなかった極煮干し本舗でラーメンを美味しくいただきます。
 
 弘前城は、春の花見の時には2度ほど来たことがあるのですが、紅葉シーズンも良いらしいです。

高所のもみじはこの時すでに終わっていましたが、TV情報では弘前公園が見ごろということで訪ねてみました。石垣の一部崩落から修復工事で仮移転中の天守閣の内部を見学します。

 曳家の際の変形にも耐えるように、内部には組み立て式の鉄骨で補強がなされていました。左写真の黒っぽい、パネルが飾ってあるところが鉄骨です。
 弘前城址は無料区画でも十分散策が出来ますが、せっかく来たので有料区画も見学させていただきます。天守閣もその中にあります。本丸広場?から望む岩木山と紅葉が良いバランスです。
 料金ゲートは複数個所にあって、どこからでも入退場が出来ますが、出口通路寄りではチェックされることはありません。私たちが南口から出ようとしたところ、券売所で入場待ちの団体が並んでいて、向こうから壮年の夫婦がやってきました。知ってか知らずか、出口通路からそのまま中に歩いて入っていきました。あのような夫婦には絶対なりたくないですね。
 以前来訪時には気が付かなかった(その後建てられたのかもしれませんが)、案内施設(弘前城情報館)がありました。中には解説機能やきれいなトイレの他に、ホールには大きな窓と手前に薄いスクリーンがあって、様々な情景が外の景色と重なって映し出されます。右写真では白馬が歩いてゆくところです
・・・つづく